エンジンオイルについて

エンジンオイルについて

エンジンオイルについて

  • オイル

そもそもエンジンという機械はとんでもない代物です。
内部でガソリンを爆発させピストンを押し動かし、その直線運動をコンロッドとクランクで回転運動に変換して動いています。
金属同士をこすり合わせると、どちらかが削れてしまうか焼き付きを起してくっついてしまいます。それを防ぐのがオイルです。
しかもガソリンの燃焼による熱や化学変化の影響を思いっきり受けながらエンジンをスムーズに動かす為にがんばっています。
これほど重要な仕事をしているエンジンオイル、特にチューニングエンジンではその性能により出力や耐久性に大きく差が出て来ます。
エスパワーではJCDのエンジンオイルをお勧めしています。その理由を今までの経験やオイルに対する考え方などを交えて紹介します。

 

  • オイル選び

 

当店のような小さなショップでは、大規模量販店のように色々なオイルをずらりと並べて「お好きな物をどうぞ」という訳にはいかないので、このメーカーのこのオイルなら大丈夫というオイルを店に並べるのですが、その為には1000psオーバーのドラッグマシンや600psオーバーのサーキット仕様車で使用し、エンジンをバラしてメタルやシリンダーの状態を確認します。
それと同じ位重要にしているのがお客様の声です。
いくら1000psオーバーのエンジンに使用できてもノーマルエンジンに使用するとエンジンの回りが重くてどうしようもない。水温が上がるまで走れない。価格が高い。なんて事では困ります。
お客様に一度使っていただき、次のオイル交換もこのオイルで、と思っていただけるようなオイルを販売していきます。
JCDのオイルを販売し始めの頃、オイルの缶にはラベルがなく無印でした。
お客様が来店し「オイル交換して下さ〜い!この前入れたあやしいオイルでね。」と言われた時は嬉しかったですね。エスパワーで売っているオイルはお客様が選んだオイルです。

 

  • オイルを体感?

 

エンジンオイルの違いを体で感じる事ができるか?と言うと、できますよと言いたい所ですが言いきれないですね。
エンジンパワーの違いを体感するには10馬力は必要と言われていますが、敏感か鈍感か、つまり人によって違ってしまうものです。
以前エスパワーをオープンする前にいたショップで、誰が乗ってもはっきり体感できるオイルに出会いました。
これは良い、という事で価格は高いがそれなりの事はあるとお客様に薦めていましたが、一年半位後にタービンブローする車が出始めました。
まさかと思いそのオイルメーカーに問い合わせてみましたが解答はありませんでした。
しかたがないので自分で色々調べた結果、フリクションロスを減らすための極圧剤と言われる添加剤に金属を侵してしまうものが入っており、これがタービンシャフトのメタルを侵食してしまったようです。
それ以来あまり体感できるオイルは気を付けなければヤバイなと痛感しております。
JCDのオイルは体感できると数多くのお客様に長く使っていただいており、エンジンに悪影響を及ぼす事がないのは、エンジンを分解して私が見ていますので安心して使用できます。
又もし何かあった場合、JCDという会社は小人数でやっている所なので対応や対策が早いので安心です。

 

  • 油温と油圧

 

エンジンはガソリンを燃焼させて動いているため温度が上がります。特にチューニングエンジンではより強く燃焼させていますので、より温度が上がります。
油は温度が上がれば軟らかくなります。たとえばバターやラードなどの油は冷えていれば固まっていますが、熱を加えれば液体になります。エンジンオイルも温度が上がれば水のように軟らかくなってしまい、オイルポンプでエンジン内へオイルを送っても、軟らかいために潤滑するべき金属の間をスルッと抜けてしまい、オイルパンに落ちてしまいます。これが油温の上昇による油圧の低下なんですが、良いオイルというのは温度が上がっても軟らかくならずにしっかりとした油膜を維持する為、油圧は下がらず又潤滑がしっかりしている為油温も上がりにくくなります。
よく油温が上がるからといって、表示(15W-50とか20W-60)の硬いオイルを使用する事がありますが、油温が130℃以上になった場合などにその表示どうりの硬さを維持しているとは限りません。
JCDのオイルは通常の使用状況だけではなく、過激な使用状況下でのオイルの状態を把握し、それに耐えられるオイルを開発製造していますので、他のどこのメーカーのオイルよりチューニングエンジンに適したオイルと言えるでしょう。

 

  • オイルが真っ黒!!

 

昨日オイル交換したばかりなのにオイルレベルゲージのオイルが黒い。という声をたまに聞きますが、これでいいんです。
エンジンの中はデコボコがたくさんあり、エンジンオイルを上から抜こうが下から抜こうが、2000cc以上のエンジンであれば1リットル以上エンジンの中にオイルは残っています。オイルクーラーが付いていればそれ以上です。
ですから新しいオイルも古いオイルが混ざって黒くなってしまします。このように残ったオイルに別のオイルが混ざった場合、新しいオイルの性能は古いオイルの性能に近づいてしまいます。
高性能オイルに入れ替える場合、2回目の交換からが本当の性能を出すと思っていいと思います。
これはエンジンだけでなくギヤオイルやブレーキフルードにも言える事です。
それとオイルがなぜ黒くなってしまうのかと言うと、ガソリンが燃焼した時に出るカーボンがシリンダーに付着し、それがオイルに混ざるからです。
最近のエンジンはコンピューターによるインジェクション制御によりそんなにカーボンが出る事はないと思われがちですが、始動時や加速時はどうしても燃料は濃い目にしなければならないからです。
このカーボンをオイルと混ざるようにしているのがオイルの中に入っている清浄剤です。
これによりエンジン内の汚れをオイルの中に取り込みエンジン内部をきれいにしています。
レース用のオイルで清浄作用のないオイルがあります。このようなオイルをストリートで使用したエンジンを、以前オーバーホールした事があります。
エンジンを分解する前に抜いたオイルは新品のような色をしていましたが、バラしたエンジンの中はカーボンとスラッジだらけでひどいものでした。
最近のエンジンは可変バルブタイミングの使用により、オイル通路も複雑になっています。
清浄作用のしっかりしたオイルでないと、オイル通路がカーボンやスラッジで詰まってしまって大変な事になるでしょう。オイルが黒くなるのはオイルがしっかり仕事をしている証拠です。

 

  • オイルも燃える

 

ロータリーエンジンはアペックスシールなどの潤滑のために燃焼室にオイルを入れています。
つまりオイルをガソリンと一緒に燃やしています。
2サイクルエンジンもクランクやピストンの潤滑のためにオイルとガソリンを混ぜて使用しています。
4サイクルエンジンは構造上オイルを燃やす必要はないのですが、ブローバイガスを吸入側へ戻していますので、少量ではありますが燃焼室に入っています。
この燃えるという事をあまり考えないで作られたオイルを使用した場合、オイルはスラッジとなって燃焼室に残ってしまい、シリンダーとピストンの間に入りキズを付けたり、バルブとバルブシートの間に入ってバルブの気密性を落としたりプラグの寿命を短くしたりします。
JCDのオイルは燃えてもスラッジが発生しない2サイクル用オイルのような性能も持っていますので、プラグの交換サイクルが早いロータリーエンジンで是非使用していただきたいオイルです。

 

  • ブローバイガスが減る

 

燃焼室で燃焼して出来た高圧ガスは、ピストンを押し下げると同時に少量ではありますがピストンとシリンダーの間からシリンダーブロック内に入ります。このガスをブローバイガスと呼びます。
ブローバイガスをエンジンの外へ排出する事は排出ガス規制で禁止されているため、エンジンのヘッドカバーからエアクリーナーホースやインマニなどの吸気側に入れ、吸入空気と一緒に燃やしています。
エンジンの内でオイルはポンプからクランクに行き、コンロッドを潤滑した後ブロック内に飛び散ります。
又ポンプからヘッドへ行ったオイルはカムシャフトを潤滑した後ヘッドカバー内に飛び散ります。
どちらも高速回転していますので、飛び散るオイルは霧状になってしまいます。
霧状になってしまったオイルはブローバイガスと共に吸気側に入り燃焼する事になります。
吸入空気にオイルが混ざって燃焼すると燃焼温度が上がります。
ノーマルエンジンでは支障がなくても、チューニングエンジンにとって燃焼温度が上がるという事はエンジンブローにつながる致命傷となってしまいます。
これを防ぐため、チューニングエンジンにはオイルキャッチタンクを取り付け、エンジン内にオイルを戻さないようにしています。
以前、ドラッグレースに出場しているお客様が2回走ると500cc位キャッチタンクにオイルが溜まってしまうという事でオイルをJCDのFSEに交換したところ、キャッチタンクにまったくオイルが溜まらなくなりました。
あまりの違いに私も驚いていまいJCDの社長に聞いたところ、「うちのオイルは霧状になりにくいのでそういう事もあるでしょう。」との事でした。
JCDのオイルは油膜がしっかりしているため、ピストンとシリンダーの間のガス抜けも減り、霧状にならないという相乗効果でブローバイガスが減るんですね。

 

  • オイル交換

 

オイルには数多くの添加剤が入っています。添加剤にはそれぞれの役割があり、それをうまくバランスさせて一つのオイルになっています。
例えばオイルの粘度を上げるために増粘剤を入れたとします、すると酸化しやすくなりました。そこで酸化防止剤を入れました、こんどは泡が発生しやすくなりました。それでは消泡剤を入れました、ところがこの添加剤がオイルとうまく混ざりません。それじゃあうまく混ざるようにこの添加剤・・・。
というような感じでオイルは製造されています。これらの添加剤は自分の分子構造をバラバラにしたり化学変化する事により役割を果たします。
そして自分の仕事を終えるともう復活する事はありません。つまりオイルの寿命は添加剤の寿命と言えます。
ですからオイルは入っていれば良いというものではなく、まだ仕事ができるかどうかで交換判断しなければいけません。
ところがこの判断をするのに、オイルを見ても臭いを嗅いでも舐めても判りませんので、車のオーナーに判断していただくしかありません。
オイルの寿命は走行距離だけでなく、使用状況で変わります。
サーキットで油温を130℃以上上げてしまった場合は早めに。距離は伸びなくてもちょっと走っては止めを繰り返す買い物車的な使用も始動時の濃い目の燃料の為、カーボンの発生やオイルへのガソリンの混入などで寿命は短くなります。
距離は伸びても一定回転で、走行風により冷却される高速道路などでの走行はオイルの傷みは少なくなります。
その時の使用状況にオイル交換時期を合わせていただければ、機械の寿命はかなり延びるものです。

 

色々と書いてみましたが、私は文章で表現するのがあまり得意ではないので、書いた文章を読み返してみても自分の想いを半分も書けてないように思います。
もしこれを読んでJCDのオイルを使ってみようとか、オイルのこれが疑問というのがあれば、是非一度エスパワーにご来店下さい。そしてJCDのオイルの良さを体感していただければ光栄です。

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