RB26エンジンオーバーホールの一部をご紹介
↑左1・2・3番シリンダー 右3・4・5番シリンダー
車は34GTR、5万キロ走行のエンジンです。
ヘッドガスケット・インジェクター交換、F-CON 取付の予定で入庫したんですが、ヘッドを開けたところ写真のように1・2・3番シリンダーが傷だらけでエンジンオーバーホールする事になりました。
これほどシリンダーに傷が付くのは、タービンブローによるものが一番多いのですが、オーナーによるとそれはないとの事なので、カーボンのかみ込みとしか思えないのですが、ピストンとシリンダーのクリアランスが正常であればここまでひどい傷は付かないと思います。
実はこのエンジンはリビルトエンジンで、最初のエンジンはオイルクーラーなしの過激な走行でメタルをやってしまい、このリビルトエンジンに載せ替えたそうなんです。
なんかリビルトエンジンって変?・・・。
写真は精度の高いボーリング及びホーニングをするためのダミーヘッドをブロックにセットしたところです。
よ〜く見ると普通のダミーヘッドとはちょっと違います。
(精度に差が出るんです。)
エンジンをオーバーホールする時、仕様により色々な事をするんですが、パワーアップが目的でないオーバーホールでも絶対にやらなければいけないのがこの小さなバルブステムシールの交換です。
RB26はバルブとバルブガイドのクリアランスが大きいので、このシールにかかる負担も大きく、しかもヘッドをバラさないと出来ない所なので必ず交換します。
↑左が加工前 右が加工後
写真で分るように、インテークポートに段付きがあります。
ポート研摩をする場合は、ポート内をすべて削ってしまいますので構わないのですが、そうでない場合もこの段付きだけは削って滑らかにします。
それで何馬力上がるという事はないのですが、どうしても見て見ない振りが出来ない所です。
↑左が加工前 右が加工後
加工前のシリンダーと加工後のシリンダーです。
シリンダー壁面は、油膜を保持するためピカピカにはせず少し傷を残すように加工します。
この傷をクロスハッチと呼びます。
ノーマルシリンダーはこのクロスハッチが荒いですね。 大量生産ではしかたがないところです。
これを最適なクロスハッチに加工することでフリクションロスを減らしピストンとピストンリングの磨耗を減少させ、耐久性があり軽く回るエンジンに仕上げます。
エンジンオーバーホールは、ただ分解して組立てるのではなく、仕様により色々な所を加工します。
HPではお見せ出来ない所が数多くありますが、来店されたお客様は自由に見る事が出来ます。
(というか、エスパワーのピットには隠して作業するようなスペースはありません。)
特にそのエンジンのオーナーには、組み立ててしまうと見えなくなってしまう所なので是非、作業行程を見ていただきたいと思っています。
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